マネジメント層はちゃんとWebコンテンツやメルマガを確認しているのか?

2014年01月10日

1/10にそのメルマガは届いた。昨秋、食材偽装で有名になったホテルチェーンの会員になっているので、二週に一度のペースでメルマガが届く。出張の利便性を上げるため、会員になったのがちょうど事件発覚寸前だった。事件以降しかメルマガを受け取っていないのであるが、12/10号と12/25号の冒頭は、

「このたびは、弊社が運営するホテルおよび店舗においてメニュー表示と異なる食材を使用していたことにつきまして、多大なご迷惑をおかけいたしましたことを深くお詫び申し上げます。今後は、再発防止に全力で取り組んで参りますとともにホテル業の原点に立ち返り、何より誠実さを大切にしたサービスを肝に銘じ、再びご信頼いただけるホテルへ生まれ変わる所存でございますので、引き続きご愛顧賜りますようお願い申し上げます。」のメッセージがあった。

しかし、今日1/10に届いた新年1本目の1/10号の冒頭メッセージは

「新年、あけましておめでとうございます。 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。」

だけだった。本文をすべて読んでみたが、いっさい新年の挨拶として、襟を正す決意をあらわすような文章はなかった。普通、年頭の挨拶として、日本の習慣はまず昨年への反省を示し、新たなる決意を示すのが一般的だ。もう喉元過ぎれば熱さを忘れなのか、年を越して、そのことはなかったことにでもするのか?社長をはじめ、マネジメント層は、新年の挨拶として会員向けに新年の決意として「信頼回復への努力」をあらわすつもりはなかったのか?社長はこのメルマガの冒頭文は確認しているのだろうか?少なくとも会員というのは、わざわざ自ら登録までしている、その企業をご贔屓にしてくださっているありがたいお客様の集まりだ。

メルマガ発行部門とマネジメント層が持つ温度感が違うのか、そもそも毎月発行されているメッセージをマネジメント層は確認しているのだろうか?私は、日ごろからWebサイトやこういうメッセージの類(たぐい)は、社長の顔と同じだと言っている。言葉の一文字一文字にその企業の責任と法人格としてのまさに人格が伴うからだ。




そもそもこの食材偽装の件は、「多大なご迷惑をおかけした行為」というよりは、「お客様の信頼を裏切った行為」である。そこもはき違えている。迷惑以前に騙したという自覚がないようだ。通年を通じて同じ材料で料理ができないことくらい、料理が好きな人なら知っている。コストを優先にしたり、入手しにくい時季の運用の手間を省いて、メニュー設定をしたことが要因だ。手間を惜しまず、良心に従い、誠実におこなっていれば起きない問題のはずだった。

新年早々のこのメルマガのメッセージを読めば、この会社のマネジメントが如何に効いていないかがわかる。大阪出張時に利用する大阪駅前のあのホテル、チェックアウト時、ピンク色の制服を着たお掃除スタッフは、作業を止め、お帰りになるお客様に45度の会釈を行う。しかし、明らかにネクタイをしたフロアマネージャーたる男性は、会釈どころか挨拶もなく、お客様とすれ違う。

まさに一事が万事である。
Posted by あやとりいくた at 15:00Comments(0)エッセイ

堺屋太一著「組織の盛衰」を読み直して

2014年01月08日

堺屋太一著「組織の盛衰」を読み直して
~「職縁社会」から「好縁社会」への変化がもたらすその先~

今から21年前の1993年に刊行された堺屋太一著「組織の盛衰~何が企業の命運を決
めるのか」の文庫版(1995年刊行)の冒頭に、2014年の今を表す一文がございます
ので、ご紹介したいと思います。

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近年における国際金融の拡大と市場開放、そしてエレクトロニクス技術の発展によ
る技術的障壁の低減は、(中略)製造業を東アジア諸国にも拡めつつある。このこ
とは、日本の企業を取り巻く経営環境と競争条件とがまったく違うものになったこ
とを意味している。日本の企業が、過去の成功体験を脱して組織改造を行い得るか
は、それぞれの企業の将来を決定する問題であろう。

しかし、何よりも重大なのは、日本経済が右肩上りから俯き加減へと姿勢が変り、
日本社会が若者増加の拡大期から中高年偏重の深化期に移ったことだろう。この国
の社会構造全体が職場の縁で繋がる「職縁社会」から、暮しの好みで結ばれた「好
縁社会」に進もうとしているのだ。官庁も政党も、企業も学校も、この変化に対応
した組織変改ができるだろうか。そのためには、組織の構造や体質などの「形」と
共に、組織の倫理や好みなどの「気」を考え直す必要があるだろう。
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産業の空洞化や国際化、社会構造の高齢化は言うに及ばず、失われた20年の到来や
「職縁社会」から「好縁社会」へと変わるという一文で、ソーシャルメディアの
登場をも示唆し、さらに、それらへの対応が組織の将来を決するとまで言い切った
著者の慧眼に、今更ながら驚かされます。

成功が次の失敗に繋がり易いのが組織の常だと著者は言います。私たちも常にお客
様より「成功事例の紹介」を求められますが、大事なことは「失敗体験の共有」な
のです。機構や組織などの現状を確認し、その改革と改善を進め、新しい創造活動
ができる環境をいち早く整えることが必要です。

Webマーケティングの世界は、まさに国際化と市場開放、そしてデジタル技術の発
展によりもたらされたものであり、毎日が国際試合です。生半可な知識や経験では
勝ち目はありません。優れたマネジメントのもと、組織力で取り組む必要がありま
す。

どのような展望とマネジメントで、Webマーケティングを征しようとしているか、
この機に見直されてみてはいかがでしょうか?

2014年1月8日
戦略的ウェブサイト構築集団あやとり
代表 生田 明子

Posted by あやとりいくた at 13:31Comments(0)エッセイ

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あやとりいくた
合同会社あやとりのCEO/プロデューサー生田明子。SEOなんて言葉が日本でなじみがないころから検索エンジンでの上位表示実験を繰り返し、ノウハウを集積。日本でOverture、Adwardsの広告募集がはじまってまもなく出稿した経験を持つ。組織戦略に基づくWeb戦略立案を得意とする。大規模開発から個人事業まで幅広く支援。
1988年PC9801を触り始め、1995年にはインターネットの仕事にかかわっていました。資格は簿記2級、普通自動車免許、PADIオープン・ウォーター・ダイバーライセンスしかありませんが、実務経験は本当にハンパありません!あと司馬遼太郎と堺屋太一が大好き!な暇さえあれば読書な毎日


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