ドメインは誰のものか?

あやとりいくた

2011年11月22日 08:45



最近、お客様のサイトのサーバーの引っ越しをするにあたって、ドメイン移管をしようとしまして、いろいろ困った問題につきあたりました。

ドメインの管理もwebサーバーの契約も全部、制作会社やデザイナーさんに丸投げしていたので、ドメインの名義もサーバー契約名義もみんなご本人様(運営主の会社)ではなく、制作会社やデザイナーさんだというのです。

「屋号やサービス名称を冠にしたドメインはサイト運営主の知的財産である」と考える私からすると、「あちゃー!」という感じです。知的財産???????????って、これ読みながら、頭に「?のきのこ」が生えている方、大丈夫ですか?

知的財産権
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9F%A5%E7%9A%84%E8%B2%A1%E7%94%A3%E6%A8%A9


ビジネスをしていく上で唯一無二の競争力である、こうしたドメインや商標、デザイン、特許などは知的財産権ということで、営業上の標識として考え出した会社や人に権利があります。

「ほにゃららはりふれほ」という会社名、屋号の場合、サイトをつくるときにたいがいは「honyararaharihureho.com」のようなドメインを取得するわけですけど、「ほにゃららはりふれほ」も「honyararaharihureho.com」も、ビジネスを進めていく上で、他社との区別を意味し、その会社の個性を表す大事なキーワードですよね。認識してもらうのに、重要な記号でもあるわけです。

それは、絶対に手放してはならない大事な大事な財産のはずです。眼には文字として見えるけれど、実態はない営業上の財産です。会社として、事業体として、苦労の末、考え出した結果、生まれたもので、他社との識別のために重要なものです。

それをよくわからないからと、契約や管理を制作会社やデザイナーに任せるのはいいのですけれど、あくまでも取得手続きの代行を依頼しているだけのはずです。名義を制作会社やデザイナーにしていいとは言ってないはずだと思うのですが、請け負うほうも請け負うほうで、自分の名前で契約してしまっているというのです。この場合、依頼者も請け負ったほうも、この知的財産に関しては、「素人」ということになるわけです。

今回のように、サイト運営に関して、現行の契約先では好ましくなく移管したい場合、自分の仕事をとられるとして、制作会社やデザイナーさんが警戒し、移管を拒絶するといったケースが時折あります。

しかしながら、「屋号やサービス名称を冠にしたドメインはサイト運営主の知的財産」ですので、取得手続きを依頼されただけの制作会社やデザイナーさんが知的財産権の保有を主張するのは無理でしょう。

制作会社やデザイナーさんの中には、これら知的財産権の勉強もせず、営業しているケースも多く見られます。自社のwebサイトのコンテンツの知的財産権はどこにあり、サイト制作時にどういった内容で業務委託を行ったか、契約書類も交わさずも要件定義も行わないとこのようなトラブルが起こるケースがあります。

コンテンツとして掲載する原稿、図画、写真、元画像ファイルデータ、ドメイン、サーバー、誰のものですか?自社の保有のつもりでいたら、制作会社が著作権、保有権を主張して、多額の投資をして制作したwebサイトの所有権をもてなかったという事例もあります。

自社の知的財産権は自社で守るしかないのです。

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